介護の現場などで高齢者の健康状態をチェックするときに目安となるのが、バイタルサインです。バイタルサインは一般的に脈拍や呼吸、血圧や体温のことを指します。医療現場でも健康状態を確認するときに使われ、場合によっては意識レベルや視神経の状態をチェックすることも。バイタルサインの変化を知ることで、客観的に利用者の状況が分かったり、よりよい介護を行うことが出来るのです。

脈拍は、手のひらを上にしたときに見える親指の付け根に触れると測定することができます。測るタイミングとしては、できるだけリラックスしている状態のときがベスト。運動した後や入浴した直後、トイレが終わったタイミングは脈拍が上がっている可能性があります。正確な数値を知るためにも、ベッドで休んでいるときや緊張していないときに測定をすることがポイントです。高齢者の脈拍の平均値は一分間で約60回から70回といわれ、不整脈があるようなら医師や看護師に相談しましょう。

呼吸を測定するときには自然に近い状態にして、観察することが重要。相手に測定していることを伝えると不自然になってしまうことがあります。できるだけ気付かれないようにするためにも、脈拍を測っているときに一緒に測定すると良いでしょう。また、寝ているときに無呼吸になっていないか、同時に呼吸音もチェックことをおすすめします。血圧は血圧計を使ってチェックします。座った状態か横になっている状態で測定するのが鉄則。体温は脇の下に体温計を入れ、体温を測ります。皮膚にできるだけ密着させて測ると、より正確な数値が出ると考えられているのです。